花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 自分の父親のことに対して、あれこれ言う世間に対して、怒りを感じていた部分はあるが、パフォーマンスの部分で劣っていたことは確かだ。あれだけ酒浸りであればクオリティの高いものを安定して供給することは難しい。実際に恋生の会社で働いてみて、みなさん、新参者のわたしにすごくよくしてくださって、違う部署の直接かかわりのないかたであってもわたしの名前と顔を覚えてくださって、挨拶に来てくれたり。お菓子を渡してくださって、そうしたみなさんのやさしさにわたしは支えられている。

 入社して一ヶ月目は気が張り詰めていて、なかなか睡眠が安定しない。緊張して夜遅くまで起きていてしまう、と打ち明けると、上司は次の日にはカモミールティーを差し出してくれた。分かっていても、実際すぐに実行出来るひとはなかなかいない。

 三ヶ月ほどでだいぶ会社のシステムや雰囲気に慣れてきて、でちょっと、ひとの欠点なんかが目について気になりだした頃に、きちんとわたしのことを見てくれて気にかけてくれるひとがいた。

 ――川瀬さん、なんか悩んでいる? 相談あったら乗るよ?