単に、それを行うだけでは足らない。機械的にやっても味気ない。せっかくやるならちょっとしたゆとりや余白を持って微笑んで……それが、Smile Abroadのスタンス。
流石は愛する恋人である恋生の作った会社なだけあって変なひとがひとりもいない。これも驚きだ。だいたいどこか新しい環境に入ればひとりくらいは嫌なひとがいるものだが、本当に、ひとりもいない。多少強烈なひとはいれど別段害を与えないし、まぁ寝ているひととか少々さぼっている程度のかたなら見たことはあるけど、彼はこう言っていたのだ。
――組織というものは、多少緩んでいるくらいじゃないと、窮屈なものになってしまうからね。
私が毎回同じ席で決まった時間に居眠りをしているひとのことを名を伏せて愚痴るとあっさり、恋生は、「――病気の関係で眠たくなる薬を処方されているから。それも含めて彼の個性なんだよ」と認めていた。
逆に、既に会長職を退き、現場から離れたはずの恋生が、そこまで記憶していることに驚いた。事件は会議室で起きているのではない。現場で起きているのだ。自分のなかの彼が叫ぶ。
流石は愛する恋人である恋生の作った会社なだけあって変なひとがひとりもいない。これも驚きだ。だいたいどこか新しい環境に入ればひとりくらいは嫌なひとがいるものだが、本当に、ひとりもいない。多少強烈なひとはいれど別段害を与えないし、まぁ寝ているひととか少々さぼっている程度のかたなら見たことはあるけど、彼はこう言っていたのだ。
――組織というものは、多少緩んでいるくらいじゃないと、窮屈なものになってしまうからね。
私が毎回同じ席で決まった時間に居眠りをしているひとのことを名を伏せて愚痴るとあっさり、恋生は、「――病気の関係で眠たくなる薬を処方されているから。それも含めて彼の個性なんだよ」と認めていた。
逆に、既に会長職を退き、現場から離れたはずの恋生が、そこまで記憶していることに驚いた。事件は会議室で起きているのではない。現場で起きているのだ。自分のなかの彼が叫ぶ。



