花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 ビールジョッキをかつんと合わせる。あなたはノンアルコールだけれど。私は遠慮なくあなたの言葉にあまえて生を頂く。

 くぁあー。仕事終わりのビールってなんでこんなに美味しいんだろう……。

 顔をしかめているとあなたが笑う。喉をくつくつと鳴らして。

「……なによ」

「いや。花は心底美味そうに飲むよね。元々ビールは、そんなに、だったよね?」

 そういえば、新卒で入社した会社では飲み会がやたらと多く、同期の飲み会に参加していたときに、甘いカクテルばかりを飲んでいたことを思い返す。誰とも喋らずに。壁の花と化していたあの頃。

「うん。二十代半ばになって急にビールに目覚めた感じ。仕事終わりにおじさんがかーっ、とビールを飲むあの感じ……が、分かるようになってきたかも……」

「花のなかのおじさんが目覚めちゃったか。よしよし」

「勝手に愛でるな!」

「女王様の花もぼくは好きだよー。よしよし」

 頭を撫でてくるものだからそれにあまえる。悪い気はしない。あなたはいつも、私をいい気分にさせてくれる、唯一無二の男。