花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 くつくつと喉で笑うあなた。普通、あなたみたいなセレブが彼氏であればもっと、高級なお店とかを選ぶんだろうけれど。あなたは私の、こういった、庶民じみたところごと愛してくれている。

「分かった。じゃあ、西新宿まで車で迎えに行くよ。あと三十分かなぁ。どこかでお茶していても構わないよ。ぶらぶらしていてもいいし」

「うん。じゃあ、着いたら連絡ちょうだい」

「OK。じゃあ、また後で」

 キスの音がしたものだから本気で携帯を落としそうになった。うわうわ。相変わらずである。相変わらず神宮寺恋生は絶好調である。

「花が帰ってくるまで料理の味がしなかった」

 一時的にアパートに戻り、一人きりの日々を過ごし、自分を見つめなおしつつ、転職活動を進めていた私に比して、あなたといえば、私がいなくなったマンションでめそめそ過ごしていた……どこまで本当かは分からないが……らしい。

 確かに、マキノさんが定期的に来てくれ、マンション室内が手入れされているとはいえ、帰ってきてみて驚いたのは、カップラーメンが大量に棚の中にあったこと。防災対策と思える量ではない。