花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

「じゃあな。もう、他の男の前でなんか泣くなよ。というか、神宮寺さん、もう、彼女を泣かさないでくださいよ」

「約束します」

「じゃあね、海我」

「ああ。……向こう戻ることがあれば連絡しろよ」

「うん。ありがとう……」

 並んで手を振るおまえたちはあまりにも眩しかった。地元にいた頃の芋っぽくあどけない素直さを残しつつも、おまえは俺の知らない世界でもっともっと成長して、輝いていくんだ。……ああ。

 帰ったら卒業アルバムを抱いて泣こう。おまえを選ばなかったことを後悔してめそめそしてやる……そんな夜だってあっていいじゃないか。

 *

「行っちゃったね……」

 もうあの飛行機で旅立った。海我を見送るということはつまり、過去の自分と決別するということ。それから……。

「本当によかったの?」と私の顔を覗き込むあなたは茶目っ気たっぷりに、「同郷だとなにかと分かり合えることがあるでしょう? ふたりで喋るときは方言、それとも標準語? ……僕様の知らない花をあいつは知っている?」

「知らない。もう、後悔なんてしていないよ」