花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 羽田空港に二人揃って現れたことから、理解した。

 無駄とまでは言わないが、おまえが俺の望む結論を出さなかったということが。

「実家に電話したら今日の便で発つって聞いてたから。……ごめん。いろいろありがとう」

 上質なベージュの光沢のあるスーツに身を包むおまえ。まるで都会の女だ。

「海我のアドバイスもあって、ちゃんと……そうだね。せっかく身に着けたスキルを活かす仕事に転職することに決めたんだ。来月から働くの」

 力になれたのならばよかった。

 願わくば――おまえと同じ未来を描きたかったが。斜め後ろに立つ、オーダーメイドのスーツに身を包む精悍な男がそれを許さない。

「彼の会社で……。ごめん。なんか、ひとりで行こうかとか考えたんだけど彼……嫉妬しいだから……」

「あはは。この通り、花はぼくが幸せにしますのでご心配なく。結婚式には是非お越しください」

「喜んで招待に預かりますよ。……花、いま、幸せか?」

「うん。すっごい」

 ならば、それでよかった。

 俺の手で咲かせられる花ではなく、おまえは、自分でその道を選ぶんだ。