花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

「私こそ。感情的になりすぎた。私ね……あなたとは壁を感じることがないってわけではないんだけれど。生まれ育った場所が同じで田舎者に特有の屈折した感情を分かってくれるのは彼だと思っていた。……でもね」

 自然とこぼれおちる、涙と言葉。

「思い出すのは恋生。……あなたのことばかりだった」

 辛くて辛くてもう立ち上がれないと苦しんで、泣くことすら出来なかった夜。

 どんな夜も、あなたは私をやさしく抱き締めてくれた。

「もう、無理かもな……どうやって生きていくのかな……そう悩んでいたときも、あなたは、ずっと傍にいてくれた……変に焦らすことなんてしなくて、ずっと、見守ってくれていた……」

 それがどれだけ大変なことなのか。

 ましてや、私たちは、幼い頃に二泊三日の合宿を数回一緒にし、新卒入社後の研修で三ヶ月過ごした顔見知り程度で、深い関係になかった。

 けれど、あなたは……。

「信じて見守ってくれていたんだよね。こうなることが分かっていて。……んもう。だったら最初から言ってくれればよかったのに。馬鹿」