花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 せっかく出来た彼氏なのに私の状況を理解してくれていない。海我はあくまで、鑓水在住の、恵まれた名家に育った人間で、私の抱え込む苦労など分かるはずがない。……次第に、私は海我を避けるようになり、狙った通りに自然消滅となった。

 卒業アルバムに、「花がんばれ」と書いてくれたことは嬉しかったよ。あのアルバムはいまも大切にとってある。

 *

 疲れて仕事から帰る。家にいてもひとり会社にいてもひとり。

 あの環境で私を理解して寄り添ってくれる者など誰もおらず、改めて、あなたと別々で暮らすことが寂しく思えた。

 料理。する気しないな……。鶏むね肉の調理は明日に回そう。どうせひとりだし。

 くたびれて畳のうえで寝そべっても、誰もなにも言わないし……。ああ。

 なんで、こんなときに、思い出すのがあなたなんだろう……。