花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 だが、決して家庭の収入が安定しているとはいえず、理系で出来れば大学進学を希望している私にとっては、一円も無駄に出来ない生活だった。友達と違って、むやみに買い物をすることはなく、金銭感覚の面で壁を感じた。それは、海我に対してでさえもだった。

 遅くまで部活動をして図書室で海我を待ち、一緒に帰る。冷やかされることもあったけれど、私たちの関係は安定していた……あのときまでは。

 高校二年での進学調査。クラス分けがあり、文系の海我とは別のクラスに進むことが決まった。

「花ってどこの大学希望しとるん?」

「……T大」

「嘘やろ。……まじか。ほんなん、東京やったら大学なんて選び次第なんに……はー、さっすが、頭の出来がいい女は言うことがちげえなぁ」

 何気ない海我の一言にひどく傷ついた。……私だって、私立の大学に進めるのならそうしたい。国立の理系大学なんて、この緑川から進学したひとなんてほとんどいないし、必死に勉強した。血の滲むような努力をして初めて、父の苦労が分かった。