高校に入ってようやく、父のことでどうこう言わない人間に出会い、鑓水からバスで通学する海我と出会えた。槍水在住の子たちは、純朴で穢れがなく、緑川の人間と違って悪口をあんまり言わない。テレビで芸能人が生歌を失敗すると、クラスの連中はその歌手のことをボロカスに言うのに、鑓水の子たちは、「ほんでも頑張っておるんよ。感動したわ」と庇うのだ。……衝撃だった。
地元だと、自分が父の娘だと知られていて、永久に、飲んだくれの川瀬の娘という色眼鏡で見られる。
一方、別の地域に住む子たちは、そういった偏見の目で私を見ることはなく、生まれて初めて、川瀬の娘という称号から逃れられた気がした。彼女たちが私を同じ、平等な人間として見てくれることが嬉しかった。やっと、学友にこころを開いて、まともな青春の日々を過ごせた。
目立つことがとにかく嫌で嫌でたまらなくて、おさげと眼鏡で自分を防御する。そんな私に気づいてくれたのが、海我だった。
――俺の前ではほんとの花を見してま。
部屋で抱き合ったときになかなか離してくれなかった。初めての恋に、溺れていた。
地元だと、自分が父の娘だと知られていて、永久に、飲んだくれの川瀬の娘という色眼鏡で見られる。
一方、別の地域に住む子たちは、そういった偏見の目で私を見ることはなく、生まれて初めて、川瀬の娘という称号から逃れられた気がした。彼女たちが私を同じ、平等な人間として見てくれることが嬉しかった。やっと、学友にこころを開いて、まともな青春の日々を過ごせた。
目立つことがとにかく嫌で嫌でたまらなくて、おさげと眼鏡で自分を防御する。そんな私に気づいてくれたのが、海我だった。
――俺の前ではほんとの花を見してま。
部屋で抱き合ったときになかなか離してくれなかった。初めての恋に、溺れていた。



