花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 母に勿論同情はしていた。……だが、あまりにも、父の悪評に晒されて、その被害を被っていたため、どちらかといえば被害者的な気持ちのほうが強かった。だったらなんで、あんな男を選んだの。母が父を選びさえしなければ、私は生まれてこずに済んだのに。このときは、母を思いやる余裕などまったくなく、周りから浴びせられる、表立った悪口や、陰湿ないじめに悩まされており、それどころではなかった。

 合宿に行ったときに、初めて、緑川以外に住む、他県や東京の人間と知り合い、……そう、あなたと出会えて、私は変わった。少なくとも、あなたの命を救ったことで、私自身が救われていた。

 手紙も届いて、ああ理生は私を忘れていなかったんだと……嬉しい気持ちもあったはず。あのショックであまり思い出せてはいないが。