花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 あの英語力だったらおまえは外資系でもやっていけるはずだし、仕事なんていくらでもある。

「まだ二十五なんだぞ俺たち。……緑川で夫の帰りを待つ、子持ちの主婦なんざそりゃ、いくらでもいるさ。でも、別に、おまえは子どもがいるわけでもないし、……東京では三十過ぎても独身のやつなんかごろごろいる。おまえは緑川の、二十代前半で二人以上子どもを持つ、ああいう価値観に染まった女とは違うんだろ? 少なくとも、俺の知る花は、違った」

 ああ、苛々する。なんなんだこれ。何故、俺は――。

 こんな現実を知るために、別れたわけではないのに。

 こんなんだったら、大学を卒業したおまえを迎えに行けばよかった。

 そいつといるより、俺といるほうがずっとずっと幸せになれる。いますぐおまえを奪い去りたい。

 けど……。

 口数が少ないのは、悩んでいるからなんだろう。

「俺さ。これでも、ちゃんとした経営者やってるから。従業員は百人を超えるし、職人や業者とのやり取りにも長けている。……東京に来ることもしょっちゅうだから、いつでも相談に乗るから。あまり考えないで、なんとなく、連絡してくれてもいいから」