花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

「……は。なんでおまえが派遣で働いているんだよ……おかしいだろ」

 開口一番。

 偶然西新宿で出会ったおまえから話を聞いた俺は驚いた。俺は、おまえの高校時代の成績を知っている。誰もが知る日本一の国立大学への合格を決めた。あの田舎では珍しい、ただ、一定数いる、ハイスペックの間違いない地頭のいい女だったはずが。

「彼氏はなにも言わないのかよ」

「うん。……まぁ、花の進みたい道を選びなって」

「なんだそれ」花がひとりでいてくれればいいのに。未練がましい自分に嫌気がさす。「ちゃんとした彼氏だったら、止めるだろう普通。おかしいよそいつ。おまえ、そいつと本当に……本気なのか?」

 頭に血がのぼる。こんな未来が待っていると知っていたなら、俺は、おまえのことを離さなかったのに。

 あの頃は、自分が商売を成功させて、頻繁に東京に来られるだなんて思ってもみなかった。