花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

「感情的になっていても仕方ないだろう。……じゃあ、花は、どうしたいっていうの。諦めかけていた転職活動やり直して、そんで、あいつとより戻すっていうの?」

「馬鹿! そんなこと誰も言っていない! ……っ、もう、出て行く!」

「いまさら戻れるの? あの環境に?」

 ぶちん、と頭の奥でなにかが切れた。

「……アパートを解約していなかったのが幸いだったわ。ごきげんよう。今日のうちに荷物をまとめて出て行きます」

 本当に、ぶちきれて、とりあえず一泊分の荷物だけキャリーケースに詰め込んで部屋を出た。

 ……追いかけてくれればよかったのに。

 馬鹿。出て行くなよ。俺の傍にいなよ。

 ……そう言って止めてくれれば……。

 どうしてあなたは来ないの。わたし、そんなに価値のない女?

 瀟洒なマンションの前に立つと涙がこぼれた。こんなかたちで終わるだなんて思ってもみなかった。……馬鹿だった。

「……ごめん。恋生」