花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 ……僕はただの、花の元彼氏に過ぎませんが、いまの状況は我慢がなりません。

 あなたがそんなふうに、指を咥えて見ているだけであれば、……僕としても考えがあります。

 あなたが、ご自身が、花にふさわしい人間だと思うのならば、するべきことが他にあるはずです。それでは失礼」

 連絡先もよこさず、男は去っていった。取り残された僕は、生まれて初めて味わう、腹の底からこみあげる、どす黒い感情に向き合うほかなかった。苦しい。悔しい。何故……こんな……。

 はっきりさせよう。ちゃんと、きみの目を見て顔を見て話すんだ。

 そう決めたはずなのに、どうしてこんなにも弱い。

 *

「信じてくれるかは分からないけど……。彼と再会したのは本当に偶然で……。それに、あなたに変に心配をかけたくなかったの……。いまの暮らしで充分だと思ったし、別に、働くことが人生のすべてではないから」

「でも先に、……あいつに打ち明けたんだよね。悩んでいることを」

「……ごめん」そう言われるとなにも言えなくなる。いたずらな沈黙。