花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

「花。どう? 仕事は大丈夫そう?」

 話を振られると素直に困る。……なんとなく、伝わっているだろうけれど。

 今月の給与はゼロだった。

 新卒で正社員として働いたときは、固定給が給与日に六ヶ月分の交通費とともに支給されていたのに。残業代が発生した場合は翌月の給与とともに振り込まれる。いま思えばありがたいシステムだった。つまり、お金に余裕のない若い子たちに配慮した仕組み。

 働いた実績で給与が入るということをすっかり忘れていた世間ずれした自分。

 挙句、西新宿までの交通費が自己負担……。何万円もするし、懐が痛い。

 いくら恋生がセレブでなんでも買ってくれる相手で生活の心配が要らないとはいっても、だからってなんでもねだるのは違うと思うし……なんとなく、落ち着かない。自分がずるをしているみたいで。

「うん。心配いらないよ」

「そっか。困ったことがあったらなんだって言ってね」

「うん。ありがとう」

 多くは語らない。語れない。……まさか。

 自分がこんなにひもじい思いをするなんて。

 別に、お昼のお弁当なんて、マキノさんに頼めば作って貰えるのだけど。