花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 納得のいかなさそうな顔をしているのは何故。

 理由は聞かない。自分で決めたことだもの。止めて欲しかったわけじゃない。ただ……出口の見えないトンネルに入り込んだようだった。受けて受けてもお見送りのメールばかりでこころが折れかけていた。そんなときにあのメール。

『川瀬様のご経験やスキルは素晴らしいものです。どの企業様に紹介しても恥ずかしくない経歴です』

 先日圧迫まがいの面接を受けただけに、あの言葉が染みた。

 でだ。「明日からは通勤の練習をしようと思うの。都内に出るのも久しぶり……だし」

「そうだね。車を一台出すことも可能だけど?」

 しないと分かっていてあなたは言っている。「……うん。でも、ちゃんと、周りと同じように平等に、同じ条件で働きたい」

「そっか。応援してる」

「ありがとう」……なんだこのうわべだけの会話は。結婚十年目の夫婦か?

 結局その晩もまぐわうことなく眠った。初出勤が四日後に控えている。万全のコンディションで挑みたかった。

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