花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 むっとしたのが伝わったのか、あなたは簡潔に会話を切り上げた。「じゃ、行ってきます。今日は会食があるから遅くなる。先に寝ててね。僕のことをベッドで待ってたりとかしなくていいから」

「しないでーす」

「ふふふ。大好きだよ花。じゃあね」

 行ってきますのチューをお見舞いしドアを閉める。……ふん。

 そりゃあ、天下の神宮寺財閥の次男坊で誰もが見惚れる美青年で、小学生の頃から起業なんかしていていまもばりっばりの敏腕経営者。そんなあなたからすればわたしの悩みなんてミジンコみたいなもの。

 無理して働かなくても。――なに、それ。わたし、お飾り?

 にこにこして隣に座っていればそれだけでいいんですか。

 いてくれればいい、それだけって、わたし、あなたのペットじゃないのに。

 デスクに戻りすぐさまメールアプリを立ち上げる。昨日返信した企業から早速オンライン面談の予定が入った。しかも今日。

 ――よし。

 必要としてくれるひとのところに行くんだ。