花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 低血圧でなかなか朝起きられない私を忙しい合間を縫って何度も起こしてくれて。酷いときには車で送ってくれて。

 この料理美味しいねと言うとしつこく五日間連続で同じメニューを作ったり。

 天然だね、と言うとお母さんいややわそんなん、と顔を綻ばせた。私よりもド天然のちょっと、しっかりしているようで抜けているひと。それが、お母さん。

 よかった。生きているうちに分かり合えて。

 ずっと、母のことをこうだと思い込んで決めつけてどんどん距離が離れていった。その距離を、たった一晩で埋められた。

「花は、お母さんのことが大好きだよ。いつも、ありがとう」

「うん。お母さんも、花のことが一番やさけ」

 おれのことやないがかと奥から声が聞こえてくるのには笑った。母と、顔を見合わせて笑った。

「あんな飲んだくれでもかつては緑川の王子様って呼ばれておってんよ。手紙も仰山届いておったし……」

「あはは。蒔田《まきた》一臣《かずおみ》とどちらがいい勝負かしらね」