花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

「うん。一度SNSでお母さんのことを愚痴ってみたら、能登や、畑中に住んでいるひとたちから意見を頂戴して。年齢を考えると、その年で新しい暮らしを始めるのは相当大変だし、故郷に戻りたい親御さんの気持ちを尊重して欲しい、ってコメントを貰って……。そうだよね。お母さんたちの人生はお母さんたちのものなんだから。遠く離れて暮らす私がどうこう言うのもなにか……違うなぁ、って思ったの」

「お母さんは、……ごめんなぁ。花の気持ちも大事にしたかってんけど。ホテル暮らしってやっぱな、自炊も出来んし、不自由なことも多くて……お母さん、朝、散歩するのが日課やねんけどな。畑中の整備された道を歩いておると急に、能登のことが、恋しくなってしもてん。花ちゃんの意見も聞かずに勝手に決めたんは本当にすまんかった。ごめんなぁ」

「そうだよね……私が震災被害に遭ったわけじゃないから。お母さんの体験はお母さんだけのものだから。いくら聞いても本人にはなれないから。だからね。お母さんが、……川瀬一子(いちこ)として考えて……感じたことが一番だなって思ったの。お母さんの考え方はお母さんが大事にして欲しい」