花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

「私、能登って、震災の起きた酷い場所だから、そんな場所にお父さんお母さんが帰るなんて信じられない、と思って、気持ちが受け付けなかったの。許せなかった。……けど、こうして、久しぶりに一緒に過ごしてみて分かったよ。能登は、やっぱり、居心地がいい」

 そう。姿かたちを変えれど、能登は能登であり、海に囲まれ土を育みひとを受け入れる。基本的な姿勢はなにも、変わらない。

「お母さんたち、畑中に行っても結局ホテル暮らしで落ち着かなかったって言っていたし、物価も高いし仕事もなかなか見つからないって言っていたし。だったら、住み慣れた能登に戻りたいっていうお父さんお母さんの気持ちを尊重したい。……そうだよね。いくら畑中がいい場所だといっても、知らない場所でいきなり生活を始めるのも、抵抗があるよね。場所によっては、能登よりも畑中のほうが、被害が大きいこともあるし。能登に住んでいて無事なひとがいても、畑中に住んでいて家が倒壊したってひとの話も聞いた。能登より畑中が安全だとは一概には言い切れない、って知ったの」

「花ちゃん。……よう調べてんな」