花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 入ってすぐのところに簡素なキッチンダイニングがあり、奥に部屋があるようだった。父はごろ寝をしている様相。眉間に皺が寄る。

 バッグを置いて手を洗い、先ずはお仏壇にご挨拶をする。――ただいま。お久しぶりです。四年ぶりになりますかね。家は被災して更地になりましたが、お仏壇がご無事でよかったです。

 ご先祖様への挨拶を済ませ、床に寝転がったままの父に声をかける。「お父さん。ただいま」

「ああ花かぁ……久しぶりやのーう」

 父は、転がったまま、動かない。こういうところが大嫌いなのだ。

 そもそも母がこんな父と結婚しなければ、私はこんな呪わしい運命と向き合わずに済んだのに。もっともっと、自分が自由で気楽でいられたはずなのに。この父がいつも、私の大事な夢や希望をぶち壊す。

 寝転がったまま酒瓶に手を伸ばしそのまま口をつけようとする父を直視するのに我慢がならず、場所をダイニングへと移す。母は、困ったように突っ立ったままで、私の反応を見守っているようだった。

「ほんなら、お茶でも入れようかね」