花に溺れ恋に純情~僕様同期御曹司の愛が私を捕らえて離さない~

 見るのも辛い光景がここには広がっている。……まだまだ復興中と言った母の気持ちが分かる。町一番の六階建ての高い建物である六嶋屋は倒壊したまま半年以上経過してからようやく解体に入ったし、スーツケースを押すこの道がでこぼこしていて確かに押しづらい。何度も持ち上げなおすのを繰り返す。

 海が見えた頃にようやく安堵感が私を満たす。……あの海が見える限り私は安心出来る。海野小島とは違った、深いエメラルドを思わせる海のいろ。そこから開けた土地が広がっていて、途中、巨大なサッカーグラウンドや子ども向けのアスレチックなんかあったりする。

 私の生まれる前に、かつて小学校にあったアスレチックは姿を消した。

 夢の懸け橋。1.5階ほどの高さのある幅が細めで巨大なジャングルジムで、そこから落ちて骨折する子が後を絶たなかったらしい。聞くだけで恐ろしい。