すると突然ふわっと温かい何かに包まれていた。


懐かしい匂いがする。




「なんでそれ俺に言わないの」


「雫、あの時気づかなくてごめん...ずっとずっと一人にしてごめんね」


「一人で、ずっと辛かったな」


空の手が私の顔を優しく覆って、
そのまま私を抱きしめる。


その目の周りは赤く、少し腫れていて
涙を拭うために廊下に出たのだとすぐに分かった。