Existence *

「たまたま墓で会って。何でもないって、すみません。って、何でか分んねぇけど謝られた」

「……」

「ちょっとさすがにイラっとしたけど、俺より端正な顔してやがったから殴るにも殴れなかったけど」

「……」


苦笑いに微笑む俺に美咲は戸惑ったように俺から視線を逸らす。


「じゃ、元気で…」


もう美咲とは会えないかも知れない。

なんとなく俺はそう思ってしまった。

美咲と会って、こうやって話して、なんとなく思ってしまった。

美咲は、もう俺に気持ちがない。


美咲がはっきりこの場で俺に対しての気持が言えないのは、きっとそう言う事。


それはそれで仕方がなくて、俺が決める事じゃなくて、美咲が決める事。

車に乗り込んで、置いていたペットボトルの水を口に含んでため息を吐き出した。

マンションに戻りソファーに倒れ込む。


あと一週間で何かが変わるとは思えなかった。

美咲が仕方なくで行くのか、それとも本当に行きたいから行くのか。

俺にはどっちなのか分からなかった。