Existence *

「葵…働くんだってね。翔の紹介って言ってたけど…」

「あぁ。…つか今はその話じゃねぇだろ。お前の事話してんだけど」

「……」

「ふざけんじゃねぇよ!1週間後って、ありえねぇだろ…」

「……」


思わず吐き出してしまった。

いや、まじであと一週間ってなに?


「勝手にも程がありすぎる。確かに美咲が決めた事であって、俺が口出しする事じゃねぇよ?でも、だけど…なんでそう言う選択なのかは俺には分んねぇ…」

「……」

「それが、お前に…美咲にとって正しい選択なのかよ」


美咲が行く理由に俺が絡んでるとしか思えない。

ただ俺から離れる事。

葵ちゃんが言ってた言葉が頭を過る。


…―――日本に居るのが疲れた。


俺が嫌いだから忘れて日本を離れるとしか思えない。

そうじゃなきゃ、なぜこのタイミングで?


「…多分」


また意味の分かんねぇ言葉に俺は顔を顰めた。


「は?多分って何だよ、」

「翔には関係ない事だと思ってる」

「あぁ、関係ねぇよ。けど、今は違げぇよ?関係ねぇ俺に言われるような行動をとってんのはお前だろ?」

「……」

「確かに、前は送り出してやれたよ?けど今回はそうにもいかねぇの、俺」

「……」

「まだ俺の中で美咲が必要だから送り出してやれねぇの」

「……」


好きだから。

まだ美咲が好きだから。

別れたままのほうが美咲にとってはいいだろうってそう思ってた。

そのほうが美咲も幸せだろうって。

何も嫌な事を考えずに過ごせる毎日が幸せだろうって。


でも、その考えが間違っていた。

俺の中から美咲は消える事などなかった。