Existence *

「好きだから。好きだからそう言ったの」

「好きだからって言わねぇよな、そんな事」

「そうなればいいなって思った」

「悪いけど、そうなる事はない」

「だって、私達嫌いになって別れたとかではないし…」

「いや、だとしても何年前の話だよ、」


え、まじで何年前って話になる。

むしろあの頃の恋愛と、今では全然違う。


「昔は昔で、今は今でしょ?あの頃は子供だったから恋愛って感じじゃなかったかも知れないけど、今は大人の恋がしたいって思った」

「大人の恋ねぇ…って言うか悪いけど、茜とそういう事にはならない」

「あの子の事、ほんとに好きなの?」

「あぁ」

「でも別れてるんでしょ?それにあの子言ってたもん。翔とより戻すって言ったら、いいんじゃないんですかって、私には関係ないのでって」

「……」

「あの子は翔の事なんて何にも想ってないよ?それに好きなのって聞いても答えなかった」

「……」

「だから翔の事なんて――…」

「アイツの気持とか今はどうでもいいから。アイツが俺を好きじゃなくても俺がアイツを好きなんだからよくね?」

「……」

「俺の事、嫌いになって?とかまでは言わねぇけど、茜の気持には答える事が出来なくて、俺はあいつが好き」


納得がいかないかのように茜は小さく息を吐き捨て、視線を外し眉を寄せた。


「今なら翔だって分かるでしょ?一歩的な恋がしんどいって事」

「一方的?」

「そう。私は翔が好き。でも翔はあの子が好き。だけどあの子は翔じゃない。矢印だけが別に向いてる恋ってしんどいでしょ?だったらあの頃の様に私に向いてもいいんじゃない?」

「…え?どゆこと?」

「あの学生の時みたいに一歩的な私の矢印で付き合っただけでしょ?翔、そう言うの興味なかったもんね」

「……」


確かに茜の言う通りだった。

好きって言われたから、なんとなく付き合って。

ほんと学生の遊びっていう付き合いだった。