Existence *

「1年で帰ってくんのかよ」

「今の所そのつもり。でも、そんな先の事なんか分かんねぇし」

「まぁ、あれだな。行く前にめんどくせぇもんは全て終わらせて行けよな」

「だからお前に頼んでる」

「また電話するわ」

「悪いな、」

「勘違いすんなよ、お前」

「は?」

「お前の為に動くんじゃねぇからな。俺がこの女探すのは美咲ちゃんの為だからな」

「わかってる」


蓮斗の事務所を出てからもう一度仕事に戻った。

茜から貰っていた連絡先を捨てずに持っていればと今更ながらに思った。

でも、まさかこんなことになるなんて思ってもいなかった俺は、必要ないと思い捨ててしまった。


蓮斗に頼んで、その蓮斗から連絡が来たのは2日後だった。

ほんとに頼んだ通りの日数だった。

蓮斗に茜の住所とマンション名を聞き、俺は早く仕事を終わらせそこへと向かう。

車で30分の場所。


まだ時間が早かったのか、茜は帰ってはいなかった。

だからと言って、引き返してまた今度って言う訳にもいかなかった。


暫く車の中で待って、茜が帰って来たのは着いてから一時間が経ってからだった。


「…――茜、」


車から降りてマンションに入ろうとする茜の背後に向かって声を掛ける。

振り返った茜は俺を見た瞬間、ビックリしたように目を見開いた。


「…え、翔?どうしてここに?」

「茜と話したくて。悪いけどツレにお前の事探してもらった」

「…そう。連絡待ってたんだよ?」

「俺、病院に居る時に好きな奴がいるって言わなかったっけ?」

「うん、聞いたよ」

「で?その人にお前はなんで俺と付き合ってるって言ってんの?」


言った瞬間、茜の視線が俺から外れた。

でもその外れた視線が再び戻って俺に向けられる。