Existence *

「この女とお前、最近どこ行った?」

「どこも行ってねぇよ。病院で会ったっきり」

「病院ねぇ…。それ以外、外で会ってねぇって事?」

「あぁ」

「お前いつ退院したっけ?」

「今月頭」

「あぁ、じゃあもしかしたらいけっかなー…」


そう言いながら蓮斗は何かをパソコンに打ち始めて、俺を見た。


「2日間でいける?」

「うーん…つかそんな急ぎなん?」

「あぁ急ぎ」

「つかよ、お前の女問題まじでめんどくせぇわ」

「俺もしたくてしてるんじゃねぇよ」


そう言った俺に蓮斗がクスクス笑い咥えたタバコに火を点けた。


「依頼費100万円な。俺の貴重な時間削んだからよ」

「あー…、それでいいん?また持ってくるわ」

「って、お前から金なんかとらねぇわ」

「いや、払うわ」

「いらねー…」


蓮斗はタバコを咥えたまま呟き、軽く笑みを作った。


「じゃあ愛優の面倒みるわ」

「そうだなー…って、お前もうすぐ海外行くんだから居ねぇだろうが」

「まぁな」

「香恋知ってんの?って言うか、諒也な」

「いや、知らねぇと思う。流星にも言うなって言ってあっし、あいつの耳に入るとちょっと面倒かも」

「あー…香恋いるもんな」

「まぁ、香恋っつーか…」

「あぁ、葵ちゃんの事?」

「あぁ」

「美咲ちゃんと繋がってんもんな。余計にややこしくなりそうだな」

「まぁ、そうだなぁー…」


諒也、葵ちゃん、美咲と繋がってるからこそ知れ渡ってほしくない。

でも繋がってるからこそ、美咲が海外に行くことが知れた。

知れなかったら今のこの気持ちも未だに塞いだままだったかも知れない。