Existence *

何も知らいとは言え、香恋の言葉でやけに思い出す。

…―――居なくなったら泣く。

香恋の言葉で俺の気持がまた複雑に揺れる。


「翔くん、みぃちゃんの事すき?」

「…え?」


また答えにくい質問をしてくる香恋に戸惑う。

そんな俺に香恋は首を傾げた。


「嫌い?香恋、みぃちゃん好き」

「嫌いじゃないよ。…俺も好き」


香恋だからこそ言える正直な気持ちだった。

言った俺に香恋はまた笑みを作った。


「みぃちゃんの事、大好き?」

「うん」

「じゃあ、みぃちゃんと3人でお出かけしたい」

「え、…いや、それはどうかな…」


まいったな。

って思ってしまった。

まさかそんな事言われると思わなかった。

戸惑った俺に香恋は寂しそうに俺を見る。


「なんで?」

「みぃちゃんは忙しいから俺と二人で行こ?」

「うーん…実香ちゃんは?」

「実香子も忙しいから」

「ふーん…」


ちょっとションボリする香恋は大人しくお絵描きをした後、眠くなったのか俺の隣で寝転んで眠っていた。

刻々と時間が過ぎ寝ている香恋の横で俺はパソコンを開いて、文字を打ち込む。


…―――翔くん、みぃちゃんの事、好き?


香恋の言葉が頭を過り、動かしていた手をふと止める。

今まで塞ぎ込んでいた気持ちがまた、溢れだしそうだった。


どれくらい時間が経ったのか分からない頃、諒也が病室へと戻って来た。


「翔さん、ごめん。遅くなった。…って、香恋寝てんの?」


シーツを被って眠っている香恋を見て、俺は苦笑いを漏らす。


「あぁ。お絵描きして疲れたのか寝た」

「お絵描きっつーか、喋りすぎて疲れたの方が正しくね?」

「確かに」

「起こして連れて帰るわ」


諒也が香恋を起すも、なかなか起きず、やっと起きたと思えば歩きたくないと言った香恋を諒也が抱っこした。