Existence *

「つかどういう基準で言ってんだよ」

「基準?教えてほしいの?そんなの気持ちよさと上手さに決まってんじゃん」

「何言ってんの、お前」


呆れた様に呟く俺にサクラはスッと俺から顔を遠ざけそのままベッドに腰を下ろす。


「この前会って思ったんだよねぇ…一度会ってしまうとまた会いたくなる。やっぱ翔ってそう言う男なんだなーって思った」

「……」

「あの頃と同じ様に会いたくなる。あ、誤解しないでよね、付き合いたいとか一切ないから」

「……」

「別に翔に好きな人が居ようが付き合ってる人が居ようが、私は構わない。そう、この前も言ったでしょ?」

「……」

「お互い楽に溺れて来たんだから、自由に生きたいって思うのはあの頃と同じでしょ?」


クスリと笑ったサクラが頬を緩めて俺に顔を向ける。

ま、あの頃はそうだったのかもしれない。

でも。


「お前、そんな事いつまで思ってんの?悪いけど、あの頃の俺とは違うから」

「なーんか翔、変わったよねぇー…」

「変わってねぇのはお前な」

「それって良い風に?」

「んなわけねぇだろ。仕事してぇから帰れよ」

「つまんないなー…ね、いつでも言って。欲求不満だったら私が手伝ってあげる」


グッと顔を近づけて来たサクラの顔。

その顔が頬に笑みを作り、口角を上げた。


「お前さぁ――…」

「入りまーす。…――え?」


台車を押して入って来た実香子が俺を見た後、その目の前に居るサクラを見て目を見開く。

何度もサクラを見た後、実香子は俺に視線を送った。