「そ、それではお大事に。しっかり休んでくださいね」 「ん、ありがとう。ジャージは洗って返すね。……クンクン……」 「いや、あげます、それあげます」 わけのわからないことを口にしている自覚すらなかった。 とにかく逃げたかった。 そそくさと立ち上がり、背を向ければ 「純」 呼ばれてしまい、止まる足。 自分の体が憎らしい。 「またね、純」 あまりに無垢で、純粋で わたしを浸潤するような声に、どう返事をしたのかおぼえていない。