どうしても吸い寄せられてしまい、先輩の頬をすりすりと撫でた。
「ん……ふふ、なーに、純」
うれしそうに顔をほころばせながら、みずからの頬をわたしのてのひらにあずけてくる。
うう、かわいい
ちゃんと体温が伝ってきて、このひとも生きているのだなと実感する。
「さて、もういきますね」
「あ……いっちゃうの?」
頬から手を離すと、名残惜しそうに目を伏せ、シュンとする先輩。
心を鬼にするんだわたし。
「長居はちょっと……。大丈夫ですよ、先生も来ましたし、ひとりじゃないですから」
「でも……純」
また甘えるような声を出す……。
どうしたものかと考えていると、吉崎先輩が突然、目を閉じてブルッと震えだす。
「どーしました?」
「なんか、さむい」
「先生呼びましょう」
「やだ。純があっためて」
試すようなジト目。
あ、確信犯だな。わたしが帰らないように演技してる。もう。
「純、はやく」
かわいくてわがままな先輩に、コロッと負けてしまうのは、わたしの生来のお節介な性分がわるい。
でもタダではやられてあげないから。



