さびしがりやの毒花



自慢じゃないが、これでも風邪知らずの健康優良児だ。
保健室とは縁遠い生活を送れている。



なのでこんなふうに保健の先生と対面するのもはじめてだった。




「弘川さんね、おぼえておくわ。もしかして吉崎くんのこと拾ってきてくれた?」


「ええと、そんなところでしょうか……。階段の踊り場でうずくまってて……」


「また薬が効かなかったのね……」




先生は慣れた口調でつぶやき、深い息を吐く。



その様子を見るからに、吉崎先輩は保健室の常連なのだろう。




「吉崎くーん、発作は引いた?」

「はい」

「少しそこで横になっていて?いまベッドの準備するから」

「わかりました」




テンポの良いやりとりを一瞬で終え、先生は間仕切りカーテンの中へ消えていく。



なんだか脱力。つまるところ安堵。



ぐんにゃりふらふらな吉崎先輩をここまで必死に連れてきた、ある種の責任感のようなものがようやくほどけた。



先生も来たし、これで大丈夫そうだ……。