吉崎先輩の頬を撫でて、「せんぱい」とまた呼んでみた。
今度こそ機嫌を損ねてしまうかと思ったけど、案外そんなことはなくて
「ん。なーに?」
律儀に返事をしてくれる。
おもわず笑いがこぼれてしまった。
「ふふ、ふふふ」
「悪意のある笑い声だね」
「すみません。こんなにかわいい人、はじめてだなって」
吉崎先輩の頭をふたたび抱き寄せて、ゆっくりゆっくり髪を撫でる。
「なんだよ……かわいいって」
不思議そうにつぶやくその人に高鳴りをおぼえた。
ときめきではなく、なんか、わんちゃんとか動物に愛おしさを抱くときの、あの感じというか。
かわいい、かわいい
そんなことをひたすら心の中でつぶやきながら、私に身をあずける大きな塊を愛でた。



