柱: 放課後/校門前/午後4時半
ト書き: 春の陽が少し傾き始めた午後。
校門前には部活帰りの生徒たちの笑い声が響いている。
美海は友達と並んで歩きながら、小さく笑っていた。
その表情は穏やかで、心が少し軽くなったようだった。
美海(心の声): (玲央と話してから、ちゃんと向き合える気がする)
(彼も少しずつ変わっていける。そう信じたい)
ト書き: しかしそのとき、数人の男子が美海の方を見てヒソヒソと話していた。
その中には、以前玲央と喧嘩になったクラスメイトの姿があった。
男子A(嘲るように):「真波ってさ、あの新井に気に入られてんだろ?」
男子B(軽口で):「こえーよな。アイツ目つきヤバいし。」
男子C:「てか、あんなやつとよく話せるよな。」
ト書き: 周囲の空気が凍る。
美海は足を止め、振り向く。
目に浮かぶのは怒りよりも、強い意志だった。
美海(はっきりと):「人を見た目で決めつけるの、やめた方がいいよ。玲央は、怖くなんかない。優しい人だよ。」
ト書き: 一瞬、男子たちが気圧される。
だが、男子Aが口を歪めて笑った。
男子A:「優しい?あいつ、前に俺に手出してきたじゃん。」
男子B:「あれだろ?お前が“真波に近づくな”って言われたってやつ。」
ト書き: 美海の目が大きく見開かれる。
その瞬間、背後から声。
玲央(低く、抑えた声で):「その話、どこで聞いた。」
ト書き: 振り返ると、玲央が立っていた。
陽の光を背に受け、制服の影が長く伸びている。
男子たちは一斉に身を引いた。
男子A:「な、なんだよ……別に──」
玲央(無言のまま一歩近づく)
美海(慌てて間に入る):「玲央、やめて!」
ト書き: 玲央の拳が止まる。
ほんの数センチ、空気が震えるほどの緊張。
玲央(歯を食いしばって):「……俺はもう、誰も殴らない。」
ト書き: 静寂が落ちた。
玲央は美海を一度だけ見て、視線を逸らす。
玲央(低く):「ただ――美海を傷つける言葉は、許さない。」
男子A(怯えて):「わ、わかった!悪かった!」
ト書き: 男子たちは逃げるように去っていった。
残されたのは、夕陽の中に立つ二人。
玲央の手は、まだ小さく震えていた。
美海(静かに手を伸ばしながら):「玲央。」
ト書き: 彼の拳に、美海の手が重なる。
指先が触れた瞬間、玲央の呼吸が止まる。
美海(優しく):「守ってくれてありがとう。でもね、私も自分で守れるよ。だから、玲央も自分を責めないで。」
玲央(掠れた声で):「……怖かった。怒りじゃなくて、また俺が壊しそうで。」
美海(微笑して):「壊すんじゃなくて、守れたんだよ。」
ト書き: 玲央はゆっくり手を開き、美海の手を包み込む。
その手はまだ熱く、力強く、でも優しかった。
玲央(小さく):「……これ、約束。」
美海:「約束?」
玲央(まっすぐ見つめながら):「もう誰も、傷つけない。 お前の笑顔を守るために、俺が変わる。」
ト書き: 美海は小さく頷く。
そして、握られた手を少し強く握り返す。
美海(心の声): (この手が、いつか本当の優しさに変わるように――)
(私も、隣で支えたい。)
ト書き: “奪う”ための手は、“守る”ための手になった。
二人をつなぐのは、傷ではなく約束。
――その約束が、次の夜、恋へと変わる。
ト書き: 春の陽が少し傾き始めた午後。
校門前には部活帰りの生徒たちの笑い声が響いている。
美海は友達と並んで歩きながら、小さく笑っていた。
その表情は穏やかで、心が少し軽くなったようだった。
美海(心の声): (玲央と話してから、ちゃんと向き合える気がする)
(彼も少しずつ変わっていける。そう信じたい)
ト書き: しかしそのとき、数人の男子が美海の方を見てヒソヒソと話していた。
その中には、以前玲央と喧嘩になったクラスメイトの姿があった。
男子A(嘲るように):「真波ってさ、あの新井に気に入られてんだろ?」
男子B(軽口で):「こえーよな。アイツ目つきヤバいし。」
男子C:「てか、あんなやつとよく話せるよな。」
ト書き: 周囲の空気が凍る。
美海は足を止め、振り向く。
目に浮かぶのは怒りよりも、強い意志だった。
美海(はっきりと):「人を見た目で決めつけるの、やめた方がいいよ。玲央は、怖くなんかない。優しい人だよ。」
ト書き: 一瞬、男子たちが気圧される。
だが、男子Aが口を歪めて笑った。
男子A:「優しい?あいつ、前に俺に手出してきたじゃん。」
男子B:「あれだろ?お前が“真波に近づくな”って言われたってやつ。」
ト書き: 美海の目が大きく見開かれる。
その瞬間、背後から声。
玲央(低く、抑えた声で):「その話、どこで聞いた。」
ト書き: 振り返ると、玲央が立っていた。
陽の光を背に受け、制服の影が長く伸びている。
男子たちは一斉に身を引いた。
男子A:「な、なんだよ……別に──」
玲央(無言のまま一歩近づく)
美海(慌てて間に入る):「玲央、やめて!」
ト書き: 玲央の拳が止まる。
ほんの数センチ、空気が震えるほどの緊張。
玲央(歯を食いしばって):「……俺はもう、誰も殴らない。」
ト書き: 静寂が落ちた。
玲央は美海を一度だけ見て、視線を逸らす。
玲央(低く):「ただ――美海を傷つける言葉は、許さない。」
男子A(怯えて):「わ、わかった!悪かった!」
ト書き: 男子たちは逃げるように去っていった。
残されたのは、夕陽の中に立つ二人。
玲央の手は、まだ小さく震えていた。
美海(静かに手を伸ばしながら):「玲央。」
ト書き: 彼の拳に、美海の手が重なる。
指先が触れた瞬間、玲央の呼吸が止まる。
美海(優しく):「守ってくれてありがとう。でもね、私も自分で守れるよ。だから、玲央も自分を責めないで。」
玲央(掠れた声で):「……怖かった。怒りじゃなくて、また俺が壊しそうで。」
美海(微笑して):「壊すんじゃなくて、守れたんだよ。」
ト書き: 玲央はゆっくり手を開き、美海の手を包み込む。
その手はまだ熱く、力強く、でも優しかった。
玲央(小さく):「……これ、約束。」
美海:「約束?」
玲央(まっすぐ見つめながら):「もう誰も、傷つけない。 お前の笑顔を守るために、俺が変わる。」
ト書き: 美海は小さく頷く。
そして、握られた手を少し強く握り返す。
美海(心の声): (この手が、いつか本当の優しさに変わるように――)
(私も、隣で支えたい。)
ト書き: “奪う”ための手は、“守る”ための手になった。
二人をつなぐのは、傷ではなく約束。
――その約束が、次の夜、恋へと変わる。



