きみの春に、溶けていく -プロローグ-

朔の告白した(された?)次の日ーー
廊下で友達と話してる朔を見つけて駆け寄ろうとしたけど、足が止まった。

「朔。よくお前、あんな気持ち悪いやつと付き合うことにしたな。あの灯って女、お前に異常に執着して気持ち悪いって評判だぜ」

ーーちがう、ちがうよ。
執着なんかじゃない。
ただ大切だから。
一緒にいるのが当たり前で、私の心に君がいるから私になれる。
朔も。お父さんも、お母さんも。
もう失いたくなかったから。忘れないだけなのに。

「……確かに俺は頑張って灯に合わせている」

「ほーら、やっぱりウザイんだろ」

からかう友人。
戸惑い何も言わない朔の顔。
チラッと私を見て、気まずそうに目を逸らした。

ハハ、なにその顔。
私ってそんなに変?
朔のこと、困らせちゃってた?
朔は私なんかじゃない、普通の人に恋したかったのに。

「ごめんね」

私、ちゃんと忘れる。
ちゃんと普通の朔の彼女になれるから。
どうか、お願い、私のそばから消えないで。