きみの春に、溶けていく -プロローグ-

ねぇ、私は朔が大好きだよ。
あの時の約束通り、これから先もずっと一緒に居たい。

「きゃあ〜!!! 朔先輩。今回も全国模試1位だったっておめでとうございます。やっぱり大学は東大ですか? それとも海外?」
「どこだろうね? まだ決めてない」
「そんなとこもかっこいい!」

朔が登校すると、いつもわーって女の子たちが集まってくる。
けど、朔はそんなの全然気にせずに、友達の男子と話してる。

「イケメンで、頭も良くて、柔道では全国行ってて。あんな完璧な人実在してたんだ……」
「ねぇ〜もうすぐクリスマスじゃん! 誰か彼女いるか聞いてきてよ」

そんな声が聞こえてきて、私は焦る。
私は全国模試なんて、自分がどこにいるかわかんないくらいだし。東大なんて夢のまた夢。
でも、朔のことをほかの女の子たちに取られたら困るのですっ!

「はァ〜何とかしないと」
「何が?」
「うわぁ、栞。いきなり話しかけないでよ」
「灯がボォーっとしてるから」

大親友の栞。栞とは、小学校で出会った。
2013年4月7日。入学式。
入学式の看板の前でお父さんとお母さんと一緒に笑って写真を撮る栞をちょっと羨ましいなって見てたら、「一緒に撮らない?」って誘ってくれた。
その時一緒に写真を撮ったのを今も部屋に飾ってる。栞のひまわりみたいな笑顔が眩しくて、この子のことがとても好きだって思った。
それが仲良くなったきっかけ。

「ねぇ、朔くん超人気爆発中だよ。そろそろゲトっとかないと、可愛い子に取られるよ。うちの高校、モデルやってる子とかも通ってるし」
「それって2-Cのあげはちゃんでしょ。朔のこと好きだって噂……聞いてるよォ。でもゲトるって」
「要は、告白しちゃいなよ! 期末終わったら、クリスマスも近いしデートとかしてさ。そしたら朔は灯だけのものになるんだよ?」

ええ、朔が私のモノ!?
いいのかな。私は朔のことずっと好きだけど、朔は分かんないから。
でも誰かに取られたくない。
私が誰よりも朔を理解してるもん。

「栞、私、やってみる!!」
「よっしゃ、じゃあ作戦タイムね」
「え、テス勉は?」
「そんなことより大事なのはLove」
「ははっ。栞のそういうとこ、めっちゃ好き」