柱:図書室/放課後


ト書き:
放課後、人気のない図書室。
颯真が瑠衣の肩越しにノートを覗き込む。距離はわずか数センチ。

瑠衣「……颯真、近い。」

颯真「そう? このくらい、普通だろ。」

瑠衣「普通じゃないよ。周りに人がいたらどうするの。」

颯真(耳元で)「いたら困るの? バレたら困る?」

ト書き:
頬を染める瑠衣。
颯真はその反応に満足そうに笑い、指先で彼女の髪を払う。

颯真(優しく)「怖がらせたいわけじゃない。ただ、忘れさせたくないだけだ。」

瑠衣「……私、ちゃんと覚えてるよ。ずっと、あなたのこと。」

ト書き:
その一言に、颯真の目が揺らぐ。
触れた指が震える。