田中が立ち上がり、キヨが呼ぶのも構わず外へ出て鍵をかける。
田中には探られたくない腹の中があるらしい。
でも、今の問題は警察が動いていないことだった。

キヨは大きくため息を吐き出して蜘蛛の巣がはった天井を見上げた。
犯人が捕まらないのであれば事件解決とは言えない。
それに今回の事件、大きな事件が起こる前触れのような気がしてならなかったのだった。