座敷牢令嬢は今日も謎を解く

それに、もし自分にまだ可能性があるのだとすれば、ちゃんと嫁として認めてもらいたかった。
そのためにはここでできる限りのことをするしか方法がないのだ。
「こんな目に合わされているのに？」

「使用人たちは関係ないわ」
キヨの言葉に田中が大げさにため息を吐き出した。
その顔にはどこか蔑みの色が浮かんでいてキヨはまた田中を睨みつけた。

「なにか言いたいことがありそうね？」
「ここの者たちは善人だかりではありませんよ。使用人の中には悪事を働いて行き場を無くした者もいる。そういう者たちは、ここへ来る前から恨まれもしているわけです」
その可能性も全く考えなかったわけではない。