座敷牢令嬢は今日も謎を解く

「そうですが、大旦那様たちの言いつけらしく、どうしようもないのです」
ここへ来たときに見た義父の柔和な笑顔を思い出す。
子供の頃に何度か合ったこともあるあの人が、なぜこの事件をないがしろにしているのかわからなかった。

「そんな。大旦那様はそんな人じゃ……」
「けれどキヨさまはここに閉じ込められています」
キヨの言葉を遮って言う田中にハッと息を飲む。
今のキヨの状況を鑑みればあの義父がなにをしでかすかわからないことが見えてくる。

キヨは黙り込んで下唇を噛み締めた。
できれば早く犯人を見つけてみんなを安心させてあげたい。
けれどそれは叶わないことなんだろうか。