せんべい布団の上で上半身を起こすと燕尾服姿の田中が格子戸の前に姿を見せた。
「キヨさま、入ってもいいでしょうか?」
ピンと背筋を伸ばして礼儀正しく質問してくる姿に苦笑いを浮かべる。
田中は何度合っても同じような礼儀正しさを崩しはしないのだろうと感じられた。
「もちろん」
了承し、田中が中に入っくるまでにキヨは髪の毛を手ぐしで整えて布団の前で正座していた。
田中も同じようにキヨの前に正座する。
こうして対峙している様子はなんとも奇妙だ。
田中は燕尾服だし、キヨは薄汚れたボロ布で、それでも一応は使用人とご主人という立場にある。
他の人が見れば逆だと思うことだろう。
「キヨさま、入ってもいいでしょうか?」
ピンと背筋を伸ばして礼儀正しく質問してくる姿に苦笑いを浮かべる。
田中は何度合っても同じような礼儀正しさを崩しはしないのだろうと感じられた。
「もちろん」
了承し、田中が中に入っくるまでにキヨは髪の毛を手ぐしで整えて布団の前で正座していた。
田中も同じようにキヨの前に正座する。
こうして対峙している様子はなんとも奇妙だ。
田中は燕尾服だし、キヨは薄汚れたボロ布で、それでも一応は使用人とご主人という立場にある。
他の人が見れば逆だと思うことだろう。



