座敷牢令嬢は今日も謎を解く

トミの手の冷たさは気になったものの、今は次々と倒れてしまった使用人たちの方が気がかりだ。
キヨは顔に茶碗を近づけてしげしげと見つめた。
茶碗の底には麒麟の絵が緻密に描かれていて裏側にはなんの印もない。
そのときだった、キヨの指先にザラリとした感触があって確認すれば白い粉が人差し指の先についていたのだ。

「白い粉」
呟き、指先に鼻を近づける。
臭いはしない。
キヨは小さくて赤い舌を出すと、不潔だと知りながらペロリと舐めた。

途端に苦味が口の中に広がってとっさに手ぬぐいの中に唾を吐き出した。
「それ、食べて大丈夫なんですか?」
一部始終を見ていたトミからの質問にキヨは顔を上げた。