座敷牢令嬢は今日も謎を解く

ビリビリとした痛みが頬に走るたび、悔しさで涙が滲んできた。
「大奥様への縁談が良くないものだとしても、それはきっとなにか考えがあってのはず」

「はっ。そういえばあの時、『お前を心底好いている男』とか言っていたかしらね。でもそんなのはどうでもいい! 私が欲しいのはそんなもんじゃなかった!!」
だから名家の菅原家に媚を売り、婚姻までこぎつけた。
なんて浅ましい。

大奥様が可哀想で見ていられない。
愛より金を優先しなければならないなんて、どんな幼少期を送って来たのか。
きっと辛く厳しかったんだろう。
キヨにその気持はわからない。