キヨの汗がそのまま染み付いているのだ。
普段は蓋しかされていない廁の近くで寝起きしていたから、自分の着物が臭っていることに気がつくこともなかった。
が、座敷牢からここまで離れて空気が変わったのだ。
キヨは少し恥ずかしさを感じたけれど、歩みは止めなかった。
ここで誰かに捕まって座敷牢へ逆戻りするわけにはいかない。
再度捕まればもう外へ出ることは叶わないと思っていた方がいい。
最悪の場合、その場で殺されてしまうかもしれないし。
渡り廊下を終えて本館へ戻ってきたキヨは息を潜めて周囲の様子を伺った。
長い廊下に人はいない。
が、いつ障子が開いて誰が出てくるかわからなかった。
普段は蓋しかされていない廁の近くで寝起きしていたから、自分の着物が臭っていることに気がつくこともなかった。
が、座敷牢からここまで離れて空気が変わったのだ。
キヨは少し恥ずかしさを感じたけれど、歩みは止めなかった。
ここで誰かに捕まって座敷牢へ逆戻りするわけにはいかない。
再度捕まればもう外へ出ることは叶わないと思っていた方がいい。
最悪の場合、その場で殺されてしまうかもしれないし。
渡り廊下を終えて本館へ戻ってきたキヨは息を潜めて周囲の様子を伺った。
長い廊下に人はいない。
が、いつ障子が開いて誰が出てくるかわからなかった。



