座敷牢令嬢は今日も謎を解く

ここでトミと一緒にいるところを見られるわけにはいかない。
秀雄はとっさに手紙をトミに押し付けた。
『これを女中用の厠に隠しておけ。必ず取りに行く』

と早口に言い、部屋から追い出した。
そして自分はまっさらな半紙を取り出し、筆を握りしめて書をしたため始めたのだ。
『あ、若旦那さま、こちらにいらっしゃったんですね』
トキが慌てて部屋から出たときに少し開いたままになっていた障子から、使用人が顔を出して微笑んだ。

秀雄はふぅと息を吐き出して筆を硯の上に置くと『どうかしたか?』と威厳ある態度で問いただしたのだった。

☆☆☆

秀雄の計画はまたも失敗に終わった。