「キヨ様! また大変なことが起きました!」
息せき切ってやってきたトミは座敷牢へ飛び込んで来るや否や叫んだ。

また、叫びながらキヨの前に勢いよく正座したので少し膝がヒリヒリしてもいた。
「どうしたのトミ。膝は大丈夫?」
「少し痛いです」
痛みでじんわりと浮かんでくる涙を押し込めて背筋を正した。