座敷牢令嬢は今日も謎を解く

「やめた方がいいわよ。私みたいに座敷牢に入りたくはないでしょう?」
少し意地悪く言うと黙り込んでしまった。
そして強めに背中をこすられる。

「結婚するしないはトミの気持ちを優先すればいいと思うわ。この家ではナミのように使用人を続ける子もいるみたいだし」
相手がよほどトミのことを気に入ったりしていなければ、その辺りは心配なさそうだ。
トミはキヨの見解に安心したように微笑んだ。
「ところで質問があったんだったわ」

トミの思わぬ告白に失念してしまうところだった。
「なんでしょうか?」
「この屋敷に田中という名前の使用人はいる? 男の人よ」
そう言うとトミは桶の中で手ぬぐいを絞りながら首をかしげた。