そして、そんなエーリヒの噂を聞いたのか、エーリヒの父親であるアウラー公爵からまた連絡が来たそうだが、マードレット公爵が対処してくれたようだ。
(今まで放っておいたくせに、エーリヒが有名になった途端、父親みたいな顔をしてきても、もう遅いのよ)
王女カサンドラは許せなかったが、クロエはエーリヒの父も許せなかった。
自分の子どもならばきちんと認知して面倒を見るべきだったし、もしそうしていたら、エーリヒは不幸にならなかったはずだ。
むしろこれだけの美貌なのだから、高位貴族に婿入りすることも可能だったかもしれない。
(その場合は、私とは出会えなかったと思うと複雑だけれど……)
エーリヒと出会えていなかったら、クロエはどうなっていただろうと、少し考える。
「魔物退治だが、ちょっと特殊でね。姿が見えない魔物らしい」
そんなことを考えているクロエに、エーリヒは自分が受けた依頼について説明してくれた。
クロエも我に返って、今聞いた言葉を思い返してみる。
「見えない? 透明な魔物ってこと?」
「断定はできないが、どうやら透明というわけではなさそうだ。遠くにいると見えるが、近くに来ると姿が消えるらしい」
「厄介ね」
話を聞いて、思わずそう呟く。
エーリヒは、クロエが購入してから熟読している魔物図鑑を手に取ると、ぱらぱらとページをめくった。
「姿は、この魔物らしい。だが、この魔物に姿を消す特性はない。おそらく変異種だ」
エーリヒが指さしたのは、猿に似た大型の魔物である。
クロエから見れば、人よりも大きいチンパンジーのような姿である。
(今まで放っておいたくせに、エーリヒが有名になった途端、父親みたいな顔をしてきても、もう遅いのよ)
王女カサンドラは許せなかったが、クロエはエーリヒの父も許せなかった。
自分の子どもならばきちんと認知して面倒を見るべきだったし、もしそうしていたら、エーリヒは不幸にならなかったはずだ。
むしろこれだけの美貌なのだから、高位貴族に婿入りすることも可能だったかもしれない。
(その場合は、私とは出会えなかったと思うと複雑だけれど……)
エーリヒと出会えていなかったら、クロエはどうなっていただろうと、少し考える。
「魔物退治だが、ちょっと特殊でね。姿が見えない魔物らしい」
そんなことを考えているクロエに、エーリヒは自分が受けた依頼について説明してくれた。
クロエも我に返って、今聞いた言葉を思い返してみる。
「見えない? 透明な魔物ってこと?」
「断定はできないが、どうやら透明というわけではなさそうだ。遠くにいると見えるが、近くに来ると姿が消えるらしい」
「厄介ね」
話を聞いて、思わずそう呟く。
エーリヒは、クロエが購入してから熟読している魔物図鑑を手に取ると、ぱらぱらとページをめくった。
「姿は、この魔物らしい。だが、この魔物に姿を消す特性はない。おそらく変異種だ」
エーリヒが指さしたのは、猿に似た大型の魔物である。
クロエから見れば、人よりも大きいチンパンジーのような姿である。


